高齢者のゴミ屋敷化はなぜ起こる~原因と対処方とは~

ゴミ屋敷と聞くと特別なケースと他人事のように思われてはいませんか?実はゴミ屋敷化になる原因を多く抱えています。ご自身の実家や知り合いの家が何となく散らかっている気配がもしあれば、ゴミ屋敷の傾向が出てしまっているかもしれません。ゴミ屋敷は想像以上の被害が起こり得る難しい問題です。このところ孤独死がたびたび報告されたりしています。そのためにも、高齢者の住まいをゴミ屋敷にしないための対処を考えなければなりません。今回は高齢者の家がゴミ屋敷になる原因と被害と対処法をお伝えしたいと思います。

高齢者の家がゴミ屋敷になる原因は

どうして高齢者の住まいがゴミ屋敷になってしまうのでしょうか。高齢になってくると体力気力が落ちてしまうのか、急に色々な家事などが億劫になり、片付けや掃除をする頻度が減ってしまったりします。生活のリズムも取りにくくなってきます。

物忘れなどにより片付けの判断が出来なくなる

ゴミ屋敷になってしまうのは、物忘れから始まってくる認知症などの発症と関係があります。これまでゴミの判断ができていた方でも認知症のために判断が出来ずらくなってしまったり、ゴミの収集日に出すことが出来ずらくなってしまうのです。ゴミの分別が出来なくなり、重ねて認知症の症状が進んでくると、日付や曜日を認識できなくなることや、ゴミを出すことですら忘れてしまいます。若い人でも多忙だったりして忘れてしまうこともあるので想像できるのではないでしょうか。

病気の発症や怪我、気力体力の低下

高齢になるといわゆる持病をかかえながらの生活や、老化から来る身体的な支障からゴミ出しや掃除ができずらくなります。日常生活動作を維持するだけでも痛みや不自由さを伴うのでだんだん掃除や片付けをしたくても頻度が減っていきます。筋力が衰えるだけでなく、視力や聴力も衰えてしまい、自然とやる気が落ちてしまうのも高齢者によく見られます。掃除や片付け、ゴミ出しが億劫になり、若い頃のようにはできなくなってより落ち込んでしまうことは年齢を重ねるごとに多くなってきます。

セルフネグレクトによるもの

高齢者がゴミ屋敷になりやすい原因の一つには「セルフネグレクト」があると言われています。セルフネグレクトとは、

・トイレで排泄する

・お風呂に入る

・外出、通院する

・食事を摂る

このような行為をしなくなってしまいます。これは気力や体力、そして認知機能が衰えることから起こってきます。当たり前に行っていることができなくなることでこのセルフネグレクトからゴミ屋敷を作り出してしまうことは少なくありません。このことは、ゴミ屋敷を作り出してしまうだけでなく孤独死も招いてしまいます。これは大変危険なことです。

精神疾患によるもの

高齢者の家のゴミ屋敷化にとても影響しているものは、認知症以外に溜め込み症やうつ病、統合出張症そしてADHD、アルコール依存症が関わっていることもあります。

もったいないと物を捨てない心理でためこむ

ゴミ屋敷になってしまう高齢者の心理は「ものは捨ててはいけない」「もったいない」という心理が自然と働いてしまいます。これは戦争中のもののない時代を生きてきていることも大きく関わっていると考えられます。そのため不要になったものでも「いつかまた使うかもしれない」と思いためこんでしまいます。もったいないという気持ちが若い人達よりも強いためどうしてもゴミ屋敷にしてしまうリスクが多いのです。

人に頼むと迷惑がかかるという思い

高齢者にありがちなのが自分ではできにくくなったことや出来ないことを人に頼むことは他人に迷惑をかけているという思いが強いです。自分のことは自分で何とかしなければと思いがちです。そのため、子供や親しい人にゴミ出しや片付けなど出来ないことを頼むこともしません。その事がかえって無理を重ねてしまい病気の悪化や気力の低下を引き起こしてしまい周囲への助けを求めないのでゴミ屋敷になってしまうのです。

ゴミ屋敷にしてしまうと起こる問題

高齢者の家がゴミ屋敷になってしまうと起こる問題とはどのようなことでしょうか?

火災・転倒・病気の発症

まず、ゴミ屋敷の問題で危険性が高いのは火災です。溜まった埃でコンセントから発火してしまいそして大量のゴミに引火し大火となりやすいのです。そして足の踏み場がないために逃げ遅れてしまうことが起こります。次に転倒です。高齢になると筋力の低下から元々不自由になっているところに物が生活動線を塞いでいるために転倒のリスクがとても高まってしまいます。そして、害虫などが発生したり、ゴミが捨てられないので食べ物などが腐敗したりと衛生環境の悪化しその中で病気の発症したりすることもあります。

孤独死のリスクを高める

ゴミ屋敷が本格化すると当たり前の暮らしが維持できなくなって孤独死のリスクを高めてしまいます。特別な環境の人や面倒くさがり屋の人だけがゴミ屋敷を作ってしまうと言われていましたが、現在では超高齢社会となり人間関係の希薄さから孤独死は他人事ではなくなっています。ゴミ屋敷と孤独死は関連していることから自治体によってはゴミ屋敷条例を制定しているところもあるといいます。誰かが手を差し伸べることでゴミ屋敷になることを防ぎ、同時に孤独死もなくすこともできるのです。

近隣住民へ与える被害

ゴミ屋敷によって住人だけでなく近隣住民への被害を与えてしまいます。悪臭やゴミの散乱、害虫の発生そして、火災の懸念などです。さらに孤独死が起こり、発見されるまで日数がかかってしまった場合心理的なストレスも近隣住民にとって大変な問題となります。

高齢者の家をゴミ屋敷にしないための対策とは

ゴミ屋敷にしてしまうと深刻な被害になってしまいます。しかし、ゴミ屋敷を未然に防ぐ対策はあります。

親(知人)に納得してもらって片付ける

ゴミの片付けや掃除をする際に家主である親や知人に納得してもらってから片付けを進めると良いでしょう。他人から見てゴミに見えても本人にとっては大切なものなのです。たとえ親と言っても勝手に処分するのではなく納得してもらうための説得は必要です。

ゴミ屋敷の危険性を理解してもらう

ゴミ屋敷がどれほど危険か理解してもらうことが大切です。まず、転倒のリスクがあること、そして衛生的な暮らしで健康被害から守ることだと言えます。

手助けする人がいることを知ってもらう

ゴミ屋敷にしてしまう住民は人に頼んではいけないと思い込んでしまいます。ましてやゴミの処分を人にやってもらうなんてできないと言います。そしてゴミの処分を先延ばしにしてしまいゴミが山のようになってしまいます。なので、手助けをしてくれる人がいるのだということを理解してもらうことが大事になります。別世帯の子供でも定期的にゴミの処分を手伝うことも出来るでしょう。生活に支障があれば、生活支援サービスなど利用する方法もあります。

帰省や訪問で孤独感から高齢者を守る

片付けや掃除をしなくなってしまう原因は家に訪問者が無くなることも考えられます。誰も来ないので多少散らかっても構わなくなってしまうのです。そんなことにならないためにも実家への帰省、知人宅への訪問を増やしましょう。また介護保険サービスなどの活用も有効です。孤独感を感じさせないことも対策の一つになります。

普段から高齢者への声掛けや挨拶をする

高齢者が孤独から少しでも守るためにも近隣で声掛けや挨拶を心がけましょう。直接ゴミ屋敷化を食い止めることにはなりませんが声掛けすることで孤独感を和らげます。また身近なところで人付き合いが少しでもあれば遠くに暮らす子供にとっても嬉しい気持ちになっていくことと考えられます。

まとめ

高齢者がゴミ屋敷化にしてしまうのは様々な原因がありました。この問題は個人の問題だけでなく家族や地域の問題でもあります。声掛けをはじめ関わりを持つなどコミュニケーションを取りつつ、ゴミ屋敷にならないように手助けをすることも大切です。万が一、手に負えない場合などございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

 

最後までご拝読いただきありがとうございます。
ご質問や、ご相談等がございましたらお気軽にお問合せ下さい。

>>>お問い合わせはこちら